任せ方を考える
社長が経理・労務を抱え込んでいる会社の業務整理
この記事の目次
営業や顧客対応を終えてから、請求書を集め、勤怠の未提出を追いかける。社長がこうした仕事を抱えているなら、まず自分が判断する場面と、その前後の作業を分けてみてください。
「経理を任せるほどの量ではない」と感じていても、資料を探す、相手に聞く、回答を待って再開する仕事が毎月重なっているかもしれません。会社全体の棚卸しを始める前に、直近の一か月で自分が繰り返した仕事から見直します。
作業時間だけでなく、中断された仕事も書く
メールや予定表を見ながら、請求資料の収集、支払一覧づくり、未承認勤怠の確認依頼などを書き出します。「経理」や「労務」と大きくまとめると、何に時間を使ったかが見えなくなります。
所要時間を覚えていなければ推測で埋めず、次に作業するときに記録します。作業そのものに加えて、「営業提案の途中で問い合わせに回答した」のような中断も残すと、負担の理由を説明しやすくなります。
自分が決めるのは、どの一場面か
支払一覧の例なら、資料を集めて照合するところまでは、手順が決まれば他の人が進められる候補です。支払いの可否や例外への対応は、権限を持つ人が判断します。
下表は架空の整理例です。役職だけで機械的に分けず、自社の権限に置き換えてください。
| いま抱えている仕事 | 自分が判断すること | 任せる候補となる作業 |
|---|---|---|
| 支払いの準備 | 内容と支払いの承認 | 請求書の回収、照合、一覧作成 |
| 勤怠資料の提出 | 社内ルールに沿った例外の判断 | 未提出・未承認の抽出と連絡 |
| 月次報告の準備 | 数字を踏まえた経営判断 | 必要資料の収集、質問の取りまとめ |
逆に、作業のたびに社長にしか分からない条件が出るなら、その条件を言葉にすることから始めます。「いつもと同じで」が何を指すのかを書けると、引き継ぐ相手も質問を絞れます。
ツール・社内分担・採用・委託を比べる
同じデータの転記が負担なら、システム連携や入力方法を見直す余地があります。ただし、請求書が届かない相手への連絡や、例外の判断は、ツールを導入しただけでは担当が決まりません。
| 選択肢 | 検討しやすい状況 | 先に確かめたいこと |
|---|---|---|
| ツールの見直し | 同じ入力や転記を繰り返している | 元データの品質、設定・保守の担当 |
| 社内の分担変更 | 対応できる人と余力がある | 本来の仕事への影響、教える時間 |
| 採用 | 継続的な業務量があり、社内に知識を蓄積したい | 採用までの期間、教育、管理する人 |
| 業務委託 | 切り出す作業と受け渡しを決められる | 依頼範囲、社内の承認、連絡の負担 |
すべてを一つの方法に寄せる必要はありません。転記はツールで減らし、資料集めは外部へ依頼し、承認は社内に残す組み合わせも考えられます。
最初は「月末の支払一覧まで」のように区切る
依頼候補から、元資料・締切・確認する人が比較的はっきりしている仕事を選びます。「経理全般」より、「毎月、請求書を集めて照合し、承認用の一覧を作る」の方が、必要な時間や費用を話し合えます。
任せる前に、資料を置く場所、質問をまとめる場所、社長が回答するタイミングを決めます。質問が来るたびに対応する運用のままだと、作業が減っても中断は残るためです。急ぎの連絡とまとめて答えられる質問を分けると、双方が予定を立てやすくなります。
任せた後は、社長側に残った時間を見る
見直し後の一か月は、資料を渡す時間、質問への回答、承認、修正依頼を記録します。外部が処理した件数だけでなく、社長が別の仕事に使える時間が増えたかを見るためです。契約前に削減時間を断定せず、実際の運用で確かめます。
まだ範囲を決めきれない場合は、「毎月どの仕事で手が止まるか」を一つ挙げるところから相談できます。件数や資料の状態を添えたい方は、見積もり前に揃えたい条件も参考にしてください。
この記事は業務整理のための編集ガイドです。記入例は架空の例で、顧客の実績ではありません。税務・法務・労務等の専門判断は、担当する専門家にご確認ください。
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