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黒字なのに預金が減るのはなぜ?利益と資金の違いを確かめる

この記事の目次

黒字でも預金が減る理由は、利益と入出金の時期が違うから

利益が出ているのに預金が減ったときは、売掛金・在庫等の増減と、設備購入・借入返済などの入出金を確認します。利益の金額だけでは、その期間に現金がどれだけ増えたかは分かりません。

まず過去の資金増減を説明し、その結果を将来の資金繰りへつなげます。「黒字倒産が怖い」と不安を広げるより、自社で何が資金を使ったのかを数字で確認する方が、次の行動を選べます。

利益に入るものと、資金が動くものを分ける

中小企業の会計に関する基本要領(中間報告所収)では、収益・費用を単なる現預金の受取り・支払いではなく、発生した期間へ割り当てる考え方が示されています。売上を計上しても入金が翌月なら、売掛金が残ります。反対に、将来使う資産への支出は、その月の費用と一致しないことがあります。

整理すると、次のような違いがあります。実際の会計処理は、取引内容と会社に適用する基準に従います。

表:利益に入るものと、資金が動くものを分ける
取引の例利益と資金の違い
売上代金が未回収売上を計上しても、その金額がまだ預金へ入っていない
在庫を増やす仕入れたものが売れずに残ると、売上原価と仕入・支払の時期がずれる
固定資産を購入する購入代金の支出と、減価償却による期間ごとの費用が異なる
借入元金を返済する借入金を減らす支出であり、元金返済そのものは費用ではない
減価償却費を計上する当期の費用でも、その計上額と同額の支出が同時にあるわけではない

借入返済では、元金と利息を分けます。設備購入も、すべての支出を必ず固定資産にするという意味ではありません。金額だけで処理を決めず、担当する経理責任者や専門家と確認します。

利益から資金増減へ、架空の数字でたどる

次は架空の例です。単位は万円。税金に関する計上・支払や消費税の影響は省き、表に示す以外の増減はないと仮定します。正式なキャッシュフロー計算書ではなく、差を理解するための簡略な計算です。

表:利益から資金増減へ、架空の数字でたどる
利益から調整する項目金額
税引前利益100
減価償却費を加える+20
売掛金の増加を差し引く−150
在庫の増加を差し引く−40
買掛金の増加を加える+30
ここまでの資金増減−40
設備購入代金の支払−80
借入元金の返済−50
全体の資金増減−170

この例では、利益100万円に対し、資金は170万円減っています。期首の手元資金が500万円なら、期末は330万円です。

売掛金の増加150万円は、売上等として認識した額に比べて入金が少なかった部分として資金を減らす方向に調整しています。買掛金の増加30万円は、まだ支払っていない部分として反対方向です。ここでは、売掛金の貸倒れや買掛金の特殊な振替などがない単純な状況を想定しています。

買掛金が増えたことを、そのまま「資金繰り改善」と評価しないでください。支払が後に残っているため、次の期間の支払予定も合わせて見る必要があります。

差額が説明できないときは、対象と内訳を見直す

自社で確認するときは、利益を集計した期間と、資金の期首・期末を一致させます。比較する口座が途中で増減していないか、会社全体の資金か一口座だけかも確かめます。自社口座間の振替は、会社全体では新しい資金の獲得ではありません。

次に、売掛金・買掛金は同じ期間の増減と明細を確認し、設備購入・借入返済は実際の支払記録へたどります。税金、前払費用、未払費用、増資、資産売却など、上の簡略例に含めていない動きがあれば追加します。差額を埋めるための「その他」を置いて終わらせず、内容を確認します。

帳簿と明細自体が合っていなければ、先に試算表の残高照合で、どの数字が未確認なのかを整理してください。原因がまだ分からない部分を、経営者への報告で確定した理由として説明しないことが重要です。

過去の説明と、将来の資金繰りは別に作る

キャッシュフロー計算書は、過去の現金・現金同等物の増減を営業・投資・財務に分けて示す財務諸表です。作成基準では、利益に非資金項目等を調整する間接法も扱われています。ただし、上の表だけで必要な区分・項目を満たすわけではありません。

一方、資金繰り表では、これから回収する売掛金、支払う買掛金、返済や投資等の予定を日付・期間で並べます。過去の増減が分かったら、同じ動きが続くか、入金や支払の時期が変わるかを確認して見通しを更新します。支払条件や投資の変更を決めるのは会社であり、表の作成担当が独断で予定を動かしません。

AIseedsでは、残高・入出金の確認と、資金繰り表の作成・更新を担当範囲に応じて支援します。「黒字なのに預金が減る理由を整理したい」「次の支払までの見通しを更新したい」など、確かめたいことからご相談ください。

出典・参考情報

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